【PFSOZ】諸刃
◆
「隠し扉。まああるよね普通。ちゃんと調べたのかね兵隊さん?」
いやしかし、まさかこの時代にまだこんなおあつらえ向きな廃村があるとは。
もっと死体の鮮度が良い内に見つけておきたかった。
それにしても思いのほか広い部屋だ。こりゃあ避難とかじゃなく何か見られちゃまずいことやってやがったな?
床に血痕がこびりついてる。瘴気の残り香も感じる。あとは・・・まあ、いい。
それよりも日誌を見つけた。隠す気あんのか?
「ブッ・・・へえ?」
何それウケる。たかだか田舎の耄碌ジジイどもがこんなもんで俺をどうにかできるつもりだったらしい。
この手順なら(専門外だが)まだ俺の方がうまくやれることだろう。
ここまでしてやる義理無いんだけどこんなラブレター貰っちゃあ、な。
面だけでも拝んでやろうって気にもなるでしょ。
まずは軽く揺さぶりをかけてみようか。
新鮮な肉をいくらか使っちまうが、アレの試運転にも丁度良いかもな。
あんまりあっさり成功しちゃったらそれこそ笑っちゃうんだけども。
◆
アタシが怖い人たちに虐められて帰った後、お母さんはいつもよりうんと優しくしてくれた。
「ねえ、モロハ。お母さん、お前を産んでからはずっとつらいことばかりだった」
それでつらいのが帳消しになったりはしないけれど、アタシにとっての支えはそれしか無かった。
「いっそお前が生まれなければ楽に死ぬくらいは許されたのにって、何度も何度も考えた」
お母さんはあまり笑う人ではなかった。
でも段々とつらそうにしてるとか、喜んでくれてるとかがわかるようになって、
それを言い当ててみると、そっと頭を撫でてくれるのが大好きだった。
「お前に帰る場所なんてありはしない。」
良い暮らしなんかじゃないことは薄々気づいていたけど、
それでも仲の良い母娘だと思っていた。
そう思っていたのはアタシだけだったんだ。
「お前は、呪いだよ。私を苦しめた全てに復讐するために。振るったものを切り裂くために剣は生まれた。」
その先を聞きたくなくて、深く深く刃を突き立てた。
なのにとうとう何も言ってくれなくなると寂しさが込み上げて。
自分でそうしたくせに、当たり前にこうなってることが受け入れられなくて。
ほんの数秒前を今更取り戻したくて、何度も何度も謝った。
でも、取り返しのつかないことをしたアタシを、お母さんが許すことは無かった。
◆
というわけで。こう(illust/103586522)なった経緯になります。
(時系列だいぶおかしなことになってしまったかもしれない、すみません)
聖夏祭の間、故郷の村へ墓参りに行ったところ全部めちゃくちゃになってましたというお話。
説明不足、設定ガバ、まだまだあるかもしれません、ご容赦ください・・・!
◆
黒炎の金剛石イベント(illust/103606635)参加させていただきます。
おおよそ8年ものの死体なのに鮮度どうすんだ問題をこちらでどうこうしたということでどうかひとつ・・・
もちろんご都合悪ければスルーで。
◆登場人物
アビト・ジャラクさん(illust/102825396)
モロハ(illust/102073258)
◆Pixiv Fantasia Scepter of Zeraldia(illust/101965643)
「隠し扉。まああるよね普通。ちゃんと調べたのかね兵隊さん?」
いやしかし、まさかこの時代にまだこんなおあつらえ向きな廃村があるとは。
もっと死体の鮮度が良い内に見つけておきたかった。
それにしても思いのほか広い部屋だ。こりゃあ避難とかじゃなく何か見られちゃまずいことやってやがったな?
床に血痕がこびりついてる。瘴気の残り香も感じる。あとは・・・まあ、いい。
それよりも日誌を見つけた。隠す気あんのか?
「ブッ・・・へえ?」
何それウケる。たかだか田舎の耄碌ジジイどもがこんなもんで俺をどうにかできるつもりだったらしい。
この手順なら(専門外だが)まだ俺の方がうまくやれることだろう。
ここまでしてやる義理無いんだけどこんなラブレター貰っちゃあ、な。
面だけでも拝んでやろうって気にもなるでしょ。
まずは軽く揺さぶりをかけてみようか。
新鮮な肉をいくらか使っちまうが、アレの試運転にも丁度良いかもな。
あんまりあっさり成功しちゃったらそれこそ笑っちゃうんだけども。
◆
アタシが怖い人たちに虐められて帰った後、お母さんはいつもよりうんと優しくしてくれた。
「ねえ、モロハ。お母さん、お前を産んでからはずっとつらいことばかりだった」
それでつらいのが帳消しになったりはしないけれど、アタシにとっての支えはそれしか無かった。
「いっそお前が生まれなければ楽に死ぬくらいは許されたのにって、何度も何度も考えた」
お母さんはあまり笑う人ではなかった。
でも段々とつらそうにしてるとか、喜んでくれてるとかがわかるようになって、
それを言い当ててみると、そっと頭を撫でてくれるのが大好きだった。
「お前に帰る場所なんてありはしない。」
良い暮らしなんかじゃないことは薄々気づいていたけど、
それでも仲の良い母娘だと思っていた。
そう思っていたのはアタシだけだったんだ。
「お前は、呪いだよ。私を苦しめた全てに復讐するために。振るったものを切り裂くために剣は生まれた。」
その先を聞きたくなくて、深く深く刃を突き立てた。
なのにとうとう何も言ってくれなくなると寂しさが込み上げて。
自分でそうしたくせに、当たり前にこうなってることが受け入れられなくて。
ほんの数秒前を今更取り戻したくて、何度も何度も謝った。
でも、取り返しのつかないことをしたアタシを、お母さんが許すことは無かった。
◆
というわけで。こう(illust/103586522)なった経緯になります。
(時系列だいぶおかしなことになってしまったかもしれない、すみません)
聖夏祭の間、故郷の村へ墓参りに行ったところ全部めちゃくちゃになってましたというお話。
説明不足、設定ガバ、まだまだあるかもしれません、ご容赦ください・・・!
◆
黒炎の金剛石イベント(illust/103606635)参加させていただきます。
おおよそ8年ものの死体なのに鮮度どうすんだ問題をこちらでどうこうしたということでどうかひとつ・・・
もちろんご都合悪ければスルーで。
◆登場人物
アビト・ジャラクさん(illust/102825396)
モロハ(illust/102073258)
◆Pixiv Fantasia Scepter of Zeraldia(illust/101965643)
pixivファンタジアSOZ
pikushibufanntajiaseputa-obuzerarudexia
エイリル教団
eirirukyoudann
【アルキュリウス】
黒炎の金剛石
アビト・ジャラク
23
25
500
2022-12-15 18:26
Comments (0)
No comments