蜘蛛の唄 ~Spider's Song~
蜘蛛の唄を聞いたことがある人は少ないだろう。
かく言う私自身、蜘蛛が唄を聞いたのは、ただ一度きりである。
あれは、クーレン近くの森を歩いていた時だった。
森の葉擦れの合間に鈴の振られるような音、いや神事で使われる琴に似た音が聞こえてきた。
好奇心に誘われるままに脇道にそれた私は、腰丈ほどの藪をこき分けて進んだ。
少し様子をみるだけのつもりだったのだが、気付かないうちに森の奥深くに進んでいたらしい。
何かを踏んだ気がした私は靴を見ると、そこには粘着性のある白い糸が靴と土を縫い止めているではないか。
慌てて周りを見渡した時にはもう遅く、あたりは白く輝く糸に囲まれていた。
~『探検卿リー・B・タウラの手記』抜粋~
素材「Traveler Talking with Family in Kitchen」 by Jacob Smies
かく言う私自身、蜘蛛が唄を聞いたのは、ただ一度きりである。
あれは、クーレン近くの森を歩いていた時だった。
森の葉擦れの合間に鈴の振られるような音、いや神事で使われる琴に似た音が聞こえてきた。
好奇心に誘われるままに脇道にそれた私は、腰丈ほどの藪をこき分けて進んだ。
少し様子をみるだけのつもりだったのだが、気付かないうちに森の奥深くに進んでいたらしい。
何かを踏んだ気がした私は靴を見ると、そこには粘着性のある白い糸が靴と土を縫い止めているではないか。
慌てて周りを見渡した時にはもう遅く、あたりは白く輝く糸に囲まれていた。
~『探検卿リー・B・タウラの手記』抜粋~
素材「Traveler Talking with Family in Kitchen」 by Jacob Smies
2
4
153
2024-08-04 14:05
Comments (0)
No comments