【PRWHS】その娘、阿呆か、乱世の奸雄か(575)【ティカ】

前回したためた書簡を話のわかりそうな帝国関係者に渡そうとして、イメレス先にログインしたら、illust/63656440この現場に出くわしてしまった形で。御都合が合わない際にはパラレルもしくはスルーでどうぞ。

お借りしました
ゼリュスさんillust/62876330
アクゼリュスillust/62972158

うちの
苦労人illust/63167614
カヴァレリアillust/63201273

帝国軍とおぼしき機体が二の矢を放つまさにその刹那、

｢うわぁぁあああーーーーーーーっ！！｣

｢なっ、味方！？背後を……ぐあっ！？｣

一番無防備な瞬間をカヴァレリアに背後から羽交い締めにされたアクゼリュスの狙いは大きく外れ、放った凶光は闇の彼方へと消えていく。

｢てめえ、さてはジオニアンか！？何者だ！！｣

搭乗者のゼリュスから通信で怒号が聴こえ、ティカは素性を明かす……が、神経が高ぶっているのか、どこか様子がおかしい。

｢私(あた)や……私(あた)や無実の罪で御咎めを受けた元子爵・ロンガー＝アロマティコ＝クルクマが娘・ティカ！｣

ティカの無線が何かの拍子にオープンになっていたお陰で、周辺の敵味方問わず訛りのキッツいナポレターノ弁が垂れ流しに。

｢こげな馬鹿げた事はもう止めてたもし！！貴方(おはん)がどげな事情を抱えてこん戦地に赴いたのか、私(あたい)には想像もつきもはん……でも、こしこはハッキリと言わせて頂きもす。貴方(おはん)がされて嫌な事は、善人じゃろが、悪人じゃろが、帝国臣民じゃろが、ジオニアンじゃろが、誰だって嫌なとです！自分(わが)がされたくない事は他(ほか)ん人にもしちゃいかんって、教わらなかったとですか！｣

｢……イヤ待て、ところどころ聞き取れないんだが｣

ゼリュスのことはお構い無しに、ティカは益々ヒートアップ。

｢おはん方帝国兵もそうです！ただ神帝陛下にお仕えして、ただ神帝陛下の御意志のままに動(いご)っこと……そいが忠義だとお思いですか！？過ちを冒さぬようにお諌めしてお支えしようとは思わんかったのですか！？銀河の隅から隅まで廻りに廻って正義の押し売(う)いをしちょっとは、誰も思わんかったのですか！｣