【PFLS】欲張りドメニコ【時雨平原の戦い】

◆ドメニコ爺は欲張りだ。いつだって他人を出し抜いて、ノーザリア銀貨一枚でも多く儲けてやろう。そういうことを考えて生きていた。
◆北の蛮族が坑道を通って攻め入ってくる、いっそ埋めて通れなくしてしまえ。という話を聞いた時も、まず心配したのは皆に内緒で一人で掘っていた、秘密のカキン石【illust/72985834】鉱床のことだった。
◆「坑道ごと埋められてはかなわない。かといって他の誰かに打ち明けて、掘るのを手伝ってもらうとなると分け前を渡さねばならん。」それは大変しゃくに障る、そう思っていたドメニコ爺に耳よりの知らせが飛び込んできた。
◆「敵が攻めてくるよりも先に、こっちが坑道を通って攻め込んでやろう」軍隊の奴らがそんな作戦を立てて、それの手伝いをする者を探している、そういう話だった。
◆ドメニコ爺が真っ先に志願したと聞いて、仲間たちはたいそう驚いた。「あの自分勝手なドメニコが」「いや、あいつにだって国を思う気持ちがあったのだ。しあわせの箱【illust/72985834】で当たりが出るくらいの割合で」「空からラッコ【illust/73132979】が降ってくるぞ」さんざんな言われようだったが当人は気にも留めなかった。敵にも味方にも気付かれないようにカキン石を運び出す、その算段をつけるのに忙しかったのだ。
◆かくしてドメニコ爺の孤独な闘いが幕を開けた。彼が目的を遂げるのか、失敗するのか、はたまた命を落とすことになるのか、結末はまだわからない。

◆地下坑道急襲【illust/73056433】に参加させていただきました