【PFMOH】物言わぬ異形【モンスター】

雪の中、佇む影があった。
酷い怪我を負い、一歩も動けなくなった体でその影を見つめながら、彼女は過去を思い起こす。
「必ず、全員で登頂を」
あれは、確か団長の言葉だった。

「……見たかったなぁ、ヘヴンの頂きの光景……」

さく、さく。
とうとう姿が視認できるほど近づいてきた影の姿が見えた。その異形さに背筋が冷えるのを感じた傍ら、とある違和感を覚える。
――似ている。
奇妙なほど酷似しているのだ、その影が纏うぼろきれが、彼女が身に纏う超化兵団の制服と――

そこで、ようやく自分の体の異変に気付いた。
怪我が治っている。体が自由に動く。
慌てて目の前の異形をもっとよく見ようとして、その瞳と視線がかち合う。

優しい目だった。
まるで見守るかのような目だった。

「待っ――！」

次の瞬間、強い風が吹いて視界が遮られる。
ようやく目を開けられた時には、その異形は跡形もなく姿を消していた。

***

この異形は「回復してくれるモンスター」です。
異形が冒険者を見つめている間だけ、冒険者は回復し続けます。
ある程度回復を終えたら姿をくらまします。
特に「エヴォルシア超化兵団」の前に現れるようです。怪我をしたシーンの回復等にお使いください。
(超化兵団の前によく現れるだけで、他の冒険者の前にも出現します)
(酷い目に合わせる、殺害する以外でなら、ご自由にお使いください)

※この異形に関しては、クラ猫様より掲載許可をいただいております。
※エヴォルシア超化兵団が「登頂を果たした」のを見届けた時、このモンスターは消滅します。

＊＊＊

一期生は「ルイン・ヴェイガー」を除いて全員死亡を確認。
ただし、後日行われたルイン・ヴェイガーによる単独での遺品回収。その裏で秘密裏に行われた遺体の処理の際、複数の兵士の遺体を確認できず。
消滅、または腐肉を好む魔物等によって処理されたと捉える。

……追記
遺体の処理の際、周辺に奇妙な結晶を発見。持ち帰り次第、詳細な調査を行うものとする。
【illust/88265378】