おおおとこ
自己紹介のはなし-My Profile-
世界は自己紹介なんかじゃない。
そして自己紹介が生まれた。まるで面白くもない。意味やテーマも見えない。
ゆっくりとタイプする音が聞こえくる。
「そうだなあ……。なんとなく、だけれどね……」
不意に文章が書き込まれた。頭脳は子供。体は大人のような文章だ。
「なんとなく、だけれど?」
別のユーザが発言を促すように聞いた。これはこれでヤバイ類の人だろう。
ほんの少し時間が空いて、最初のユーザーが静かに綴り始めた。
まるで自分に言い聞かせるような、誰も見ていない場所へ置くような言葉だった。 ――――
「自分自身も、ひょっとしたらよく分かっていないのかもしれない。迷っているのかもしれない。だから自分をもっと分かるために、自己紹介をしてるのかもしれない。」
「ふーん」
「さてと。自己紹介は終わるよ。明日も仕事に行かなくちゃ。・・・・・・それではノシ」
「ノシ」
ギシギシとボロい椅子が軋む音が聞こえ、やがてやんだ。
キノの旅より
世界は自己紹介なんかじゃない。
そして自己紹介が生まれた。まるで面白くもない。意味やテーマも見えない。
ゆっくりとタイプする音が聞こえくる。
「そうだなあ……。なんとなく、だけれどね……」
不意に文章が書き込まれた。頭脳は子供。体は大人のような文章だ。
「なんとなく、だけれど?」
別のユーザが発言を促すように聞いた。これはこれでヤバイ類の人だろう。
ほんの少し時間が空いて、最初のユーザーが静かに綴り始めた。
まるで自分に言い聞かせるような、誰も見ていない場所へ置くような言葉だった。 ――――
「自分自身も、ひょっとしたらよく分かっていないのかもしれない。迷っているのかもしれない。だから自分をもっと分かるために、自己紹介をしてるのかもしれない。」
「ふーん」
「さてと。自己紹介は終わるよ。明日も仕事に行かなくちゃ。・・・・・・それではノシ」
「ノシ」
ギシギシとボロい椅子が軋む音が聞こえ、やがてやんだ。
キノの旅より