【PFSOZ】守りの色【死霊術師の饗宴】

真っ赤に燃える、王都。
逃げ惑う住民を追う、死した屍の群れ。

無常にも消え、そして再び起き上がり殺戮を繰り返す惨劇の運命に
また、一人一人と散っていく。

「…やだ…！いやだ…！」

そんな非情な世に、一人の少女の色が消えそうになっていた。
目の前には、先程まで自分をかばってくれていた父がその胸に風穴を開け愛しかった娘へと
手を伸ばす。

背後は、燃えた家々。
逃げる事はかなわない。
やめて、と父だったモノに願っても助けて、と神に祈っても、その手がつかめるものは…

……。

「ダメよ。」

鈴の様に、澄んだ水の様に、寒く吹き荒ぶ様な氷を含んだ声色で父だったものを穿つ。
間一髪父の手に殺されかけた少女の前に立つのは、赤い世界の中ぽっかりあいたキャンバスの用に白い

独りの少女。

「早く、逃げて。エイリルの人たちが聖堂まで守ってくれる。」

振り替える白の少女、クルールが少女を見送るように笑う
背後の赤から守る様に。
怯え、止まっていた少女の足がやっと動いて見えなくなった後。
ふらり、と倒れそうになる足を無理やり踏ん張って前を見据える。

「…早く、速く。みんなの所に行かなきゃ。守らなきゃ」

クルールは、白い肌をさらに青白く染めてその瞳を開いて赤く燃え染まった王都を見る。
逃げ去った少女の元へ来る前までに幾度となく戦闘を繰り返したのだろう。
頭の、生命ともいえるパレットは一部損壊していた。

パレットはまだ、回復できる範囲だ。

「……大丈夫。こんな所でこわれるわけにはいかないもの。」

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【補足】

クルールはこの第四章の騒動で避難やアンデット撃退などをしており幾度となく戦闘しています。
その為、先頭の余波でパレットが一部損壊しているので、壊れていない様に魔力で無理やり補強しています。
まだ、治そうと思えば治る範囲です。
【ただし本人はだいぶ具合が悪いかも…？】

パレット損傷を見破る等、大歓迎です☺
見破らなくてもOKです('ω')

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うちの子→《illust/101965882》
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