【PFSOZ】隻笑//隻焼
信じがたいことだった。
けれど黒王に与する叛徒たちが操る死霊術――それを考えれば、こういうことがあっても不思議ではないと思えた。
「不調法者め、気味の悪い笑顔を浮かべよってからに」
「……失礼しました、ベルナウ様」
頭を下げながらも、その隻面の下では抑えきれぬほどの狂笑を浮かべたまま――シュラキは仕込み杖から刃を引き抜く。
「ベルナウ様、失礼ついでにもうひとつ」
「何だ」
「ベルナウ様は、先に王城へ。あの亡者――あれは、拙にお任せ頂きたく」
「ふん、レンといい貴様といい、そういうのが流行っておるのか」
「拙よりも”芳しくない”影士たちも多いですから。……ベルナウ様には、早くに事を収拾させて彼らを助けて頂きたく」
「この余輩に仕事を押し付けるとは、貴様も偉くなったものだな」
そう不機嫌そうに鼻を鳴らした後、ベルナウは火の点いていない葉巻を口にくわえて、
「……許可する。だが祭りはもう終わったのだ。あまりはしゃぎすぎるな――処理しなければならん祭りの経理作業がたんまりと溜まったままなのだ」
それだけぶっきらぼうに告げると、まるで影に溶けるかのようにふっと、その姿を消した。
残ったのは、仮面の男が二人。
方や、その隻面の奥に狂おしいまでの笑を浮かべ。
方や、その破面の底に燃え盛る憎悪を浮かべ。
地上の地獄となった王都の中央で、二人の修羅がぶつかり合う。
■【影獄紀行】【illust/103594714】
■自キャラ【illust/101966988】
けれど黒王に与する叛徒たちが操る死霊術――それを考えれば、こういうことがあっても不思議ではないと思えた。
「不調法者め、気味の悪い笑顔を浮かべよってからに」
「……失礼しました、ベルナウ様」
頭を下げながらも、その隻面の下では抑えきれぬほどの狂笑を浮かべたまま――シュラキは仕込み杖から刃を引き抜く。
「ベルナウ様、失礼ついでにもうひとつ」
「何だ」
「ベルナウ様は、先に王城へ。あの亡者――あれは、拙にお任せ頂きたく」
「ふん、レンといい貴様といい、そういうのが流行っておるのか」
「拙よりも”芳しくない”影士たちも多いですから。……ベルナウ様には、早くに事を収拾させて彼らを助けて頂きたく」
「この余輩に仕事を押し付けるとは、貴様も偉くなったものだな」
そう不機嫌そうに鼻を鳴らした後、ベルナウは火の点いていない葉巻を口にくわえて、
「……許可する。だが祭りはもう終わったのだ。あまりはしゃぎすぎるな――処理しなければならん祭りの経理作業がたんまりと溜まったままなのだ」
それだけぶっきらぼうに告げると、まるで影に溶けるかのようにふっと、その姿を消した。
残ったのは、仮面の男が二人。
方や、その隻面の奥に狂おしいまでの笑を浮かべ。
方や、その破面の底に燃え盛る憎悪を浮かべ。
地上の地獄となった王都の中央で、二人の修羅がぶつかり合う。
■【影獄紀行】【illust/103594714】
■自キャラ【illust/101966988】
ヴァラシン組
barashinngumi
強襲機関ナイトシェード
pixivファンタジアSOZ
pikushibufanntajiaseputa-obuzerarudexia
黒王軍の進撃
【影獄紀行】
60
79
1250
2022-12-15 16:07
Comments (0)
No comments