【PFSOZ】私の手を取って【欺瞞の悪魔】

　真実は傷を伴う

◇
　わたくしは、話しました。
　こんな途方もない、どうにもならない話を聞かせたくなかった。
　同時に、聞いて欲しかった。

　わたくしが自分自身の事を知ったのは今から５年ほど前の事。
　痛覚がおかしいと、義兄に報告をしたところ、ようやく自分の事情を知らされたのだ。

　聞いたときは、愕然としましたが、
　あぁ、そうだったのか　と、酷く納得もしてしまったのです。
　生まれつきの体質には、理由があった。
　幼い頃、独りだったのには、理由があった。
　恨むかと聞かれましたが、よくわからないと答えました。多分、今もそう。

　きっとこんな境遇じゃなければ、皆にはあの時会えなかったから。
　こんなわたくしじゃなければ、この想いは紡げなかった。
　それを否定したくない。

　違う未来より、今を選んでしまう。
　でも。それは同時に、近い未来に消えてなくなる事を避けられなくて。

　ねぇ、ジャック様。
　わたくしの幸せを望んでくれてありがとう。

　わたくしひどい事を言いますね？
　幸せに、出来なくて、ごめんなさい

　一番大切な貴方
　例え貴方が遠くても　ずっと、ずっと、想っているから。
　ただの妹分で消えるつもりだったのに。
　だから、貴方の心を少しだけ持っていくことを許して――

　本当は、

◇
こちら［illust/103631527］を受けて
こちら［illust/103621164］の内容を大まかに話しました。
資料は少ないですが、望めば見ることが出来きます。

◇お借りしました
青天十三杖
ジャックさん［illust/102300703］

リリティニア［illust/102307373］