【PFSOZ】欠ける月
◆◆残酷表現・妊婦を殺す的な話があります注意◆◆
「なぜ、機密保持を破ってまで話した?」
「一人で抱えてたら、気が狂いそうだなって思ったからだよ。親父みたいに」
「以前お会いした時はそうは、みえなかったが?」
「罪悪感なのか、恐怖なのか、わからないが、年々取り乱す事が増えてきたんだよ。早めに隠居してもらった方がいいかもしれない所だよ」
「そうか」
「なので、俺が狂ったらお前が止めてくれよな★」
「お前を止めるのか、それは…責任重大だ」
◇
カラコロと、口の中で蜜の塊がとける。
けれど、口に広がるはずの甘みはなく、鼻を抜ける香りだけが唯一食べているものは知らないナニカではないと教えてくれる。
「今日は、少し無理をしましたものね」
強い力には、強い代償。
例え、望んだものでなくても。
わたくしが、違和感に気が付いたのは5歳になる前の事。
その頃のわたくしは、情報にあふれた世界にいたのです。
制御を知らず、視えるまま視えすぎる世界に苦しんでおりました。
わたくしの眼の感覚に合わせて、わたくしの時間も酷くゆっくりしたものでしたから、その苦しみは、今思っても酷いもの、でした。
目をきつく閉じて、ただベッドで丸くなっていた日もあったと思います。
幸い、本を読むなど一つの事に意識が集中できる時は、視える事が気にならないと気付いてからは大分楽になりましたが、わたくしが読める本は、魔力を持った本でなければならず、それらの本を読むことを、義父は快く思わなかったのです。
そんな時に、ヘルムート様の元へ連れていかれました。
沢山の魔導書、研究書、感じられる濃厚な思念残滓。
『まほうを教えてくださいませ』
必死でした。
母は既に亡く、義父たちは魔法の扱いが得意ではなかったので、誰もわたくしに指導が出来ない処か、扱いかねていたのですから。
自分で、どうにかしなければならないと、理解していました。
それからは、随分と過ごしやすくなりました。
年相応の事も、楽しめるようになったのではないでしょうか。よく、心から笑うようになったと記憶しております。
このまま、何事もなく過ごせると思っていたのです。
けれど、15歳を過ぎた頃からでしょうか。
感覚が欠けることが出てきたのは。
決まって強い魔法を使った後に、手先の感覚が、無くなりました。
幸い、すぐに回復したのですが、その事を義兄に話すと、顔を青くされたのを覚えています。
「痛覚が欠けたのは、とても便利だと思ったのですが……味覚はもう少し残っていて欲しかったですわ」
いつものように、休めば回復するかもしれない。けれど、酷く鈍く遠ざかった痛覚と同じように、戻らないかもしれない。
そうしたら、一緒に、楽しめなくなる。
――未練がましい。
「大丈夫。今を、大事に、楽しんで。負けない、負けないわ」
神様なんて大嫌い。だから、祈りは大切な想い出達に込めて。
挫けたら、ベル様はきっと後悔される。
飲まれたら、ヘルムート先生は傷つくでしょう?
倒れたら、ジャック様は……
「許してくれるかしら……」
◇
こちら[illust/103584947]の後、こちら[illust/103480148]を経由して、自宅へ
キャプション芸でだらだら書きましたが。
・視覚消失
・痛覚麻痺
に加えて、味覚の麻痺の症状が出てます。終章中は出てる。
これは、女神の欠片を内包した事で 存在の次元がぶれてるのが根本理由です。
神様ゲージ高まると、人の感覚が消えてく感じですね。
人側にあの手この手で引き戻すと収まります。
12/15 19時追記
既に魂と欠片はほぼ同化しており、半神半人です。簡単に治る(治るとかじゃない)ものではないので、
どうにか終章乗り切れたら、その後の話ができるかな~と。
戦闘に支障はないですし、基本的に隠してはいます。
◆義兄の思い出話◆
基本的には完全な形ではどこにも漏れていないですが、憶測や噂の形で前当主の時に酷いことがあったらしい。くらいは知ってても問題ないです。
ジャックさんだけ、お兄さんから何か含みを聞いてる可能性は或る。(お好きなように)
◆お借りしました
ヘンリーさん はジャック君の亡くなったお兄さん[illust/102300703]
と、上質なワイン[illust/103440081]
来られなかった祭典の時には、必ず親友に献杯してる
リリティニア[illust/102307373]
エルスフィア[illust/103520003]
「なぜ、機密保持を破ってまで話した?」
「一人で抱えてたら、気が狂いそうだなって思ったからだよ。親父みたいに」
「以前お会いした時はそうは、みえなかったが?」
「罪悪感なのか、恐怖なのか、わからないが、年々取り乱す事が増えてきたんだよ。早めに隠居してもらった方がいいかもしれない所だよ」
「そうか」
「なので、俺が狂ったらお前が止めてくれよな★」
「お前を止めるのか、それは…責任重大だ」
◇
カラコロと、口の中で蜜の塊がとける。
けれど、口に広がるはずの甘みはなく、鼻を抜ける香りだけが唯一食べているものは知らないナニカではないと教えてくれる。
「今日は、少し無理をしましたものね」
強い力には、強い代償。
例え、望んだものでなくても。
わたくしが、違和感に気が付いたのは5歳になる前の事。
その頃のわたくしは、情報にあふれた世界にいたのです。
制御を知らず、視えるまま視えすぎる世界に苦しんでおりました。
わたくしの眼の感覚に合わせて、わたくしの時間も酷くゆっくりしたものでしたから、その苦しみは、今思っても酷いもの、でした。
目をきつく閉じて、ただベッドで丸くなっていた日もあったと思います。
幸い、本を読むなど一つの事に意識が集中できる時は、視える事が気にならないと気付いてからは大分楽になりましたが、わたくしが読める本は、魔力を持った本でなければならず、それらの本を読むことを、義父は快く思わなかったのです。
そんな時に、ヘルムート様の元へ連れていかれました。
沢山の魔導書、研究書、感じられる濃厚な思念残滓。
『まほうを教えてくださいませ』
必死でした。
母は既に亡く、義父たちは魔法の扱いが得意ではなかったので、誰もわたくしに指導が出来ない処か、扱いかねていたのですから。
自分で、どうにかしなければならないと、理解していました。
それからは、随分と過ごしやすくなりました。
年相応の事も、楽しめるようになったのではないでしょうか。よく、心から笑うようになったと記憶しております。
このまま、何事もなく過ごせると思っていたのです。
けれど、15歳を過ぎた頃からでしょうか。
感覚が欠けることが出てきたのは。
決まって強い魔法を使った後に、手先の感覚が、無くなりました。
幸い、すぐに回復したのですが、その事を義兄に話すと、顔を青くされたのを覚えています。
「痛覚が欠けたのは、とても便利だと思ったのですが……味覚はもう少し残っていて欲しかったですわ」
いつものように、休めば回復するかもしれない。けれど、酷く鈍く遠ざかった痛覚と同じように、戻らないかもしれない。
そうしたら、一緒に、楽しめなくなる。
――未練がましい。
「大丈夫。今を、大事に、楽しんで。負けない、負けないわ」
神様なんて大嫌い。だから、祈りは大切な想い出達に込めて。
挫けたら、ベル様はきっと後悔される。
飲まれたら、ヘルムート先生は傷つくでしょう?
倒れたら、ジャック様は……
「許してくれるかしら……」
◇
こちら[illust/103584947]の後、こちら[illust/103480148]を経由して、自宅へ
キャプション芸でだらだら書きましたが。
・視覚消失
・痛覚麻痺
に加えて、味覚の麻痺の症状が出てます。終章中は出てる。
これは、女神の欠片を内包した事で 存在の次元がぶれてるのが根本理由です。
神様ゲージ高まると、人の感覚が消えてく感じですね。
人側にあの手この手で引き戻すと収まります。
12/15 19時追記
既に魂と欠片はほぼ同化しており、半神半人です。簡単に治る(治るとかじゃない)ものではないので、
どうにか終章乗り切れたら、その後の話ができるかな~と。
戦闘に支障はないですし、基本的に隠してはいます。
◆義兄の思い出話◆
基本的には完全な形ではどこにも漏れていないですが、憶測や噂の形で前当主の時に酷いことがあったらしい。くらいは知ってても問題ないです。
ジャックさんだけ、お兄さんから何か含みを聞いてる可能性は或る。(お好きなように)
◆お借りしました
ヘンリーさん はジャック君の亡くなったお兄さん[illust/102300703]
と、上質なワイン[illust/103440081]
来られなかった祭典の時には、必ず親友に献杯してる
リリティニア[illust/102307373]
エルスフィア[illust/103520003]
漫画
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青天十三杖
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欺瞞の悪魔
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32
906
2022-12-15 15:40
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