【PFSOZ】冷たさに触れた【欺瞞の悪魔】
ぽつりぽつり───
燃え広がる王都を走るペリツァに小さな雫が当たった。
火によって熱せられ、さらにずっと駆け回っていた私にとってはこの雨が心地よい冷たさを運んでくれた。そして、その少し濡れた肌にチリ、と凍みる冷たさを感じた。
この近くだ。
“彼”に近づいている、という確信を得たとき、ユルメック・コールが音を立てた。
『皆、聞こえているかい……事情はこれから説明するが、フロスト君を助けるために……救援が必要だ。協力してくれるかい?』
シュローラン先生の声が明確に”彼”の…フロストさんの危機を知らせてくれた。できればこんな予想は外れて欲しかった…、そう思いつつ冷気が来る方向へとさらに足を速める。彼がいるであろう場所に近づくにつれ、火は消え、かわりに霜が所々に見えるようになった。
大きな氷壁。氷でできたアザミの花。淡い青色の花々。心配そうに飛ぶウィスチュン。鍵。
そして氷に囲われるように座るフロストさん───
「シュローラン先生…!これはいったい…?」
訳がわからず思わず目の前の先生に問いかけた。きっと先生だって事情は知らないだろう。けれど問わずには言われないほど、今の現状を私は受け止められなかった。
「ペリツァ君か。詳しいことは解らないが、フロスト君は誰かの魔法によって混乱している状態なんだと思う。だが、彼の意識はまだ落ちていない。私たちの声が届けばきっと…!」
フロストさんは絶えず「近づくな」「触るな」とこちらを拒絶する言葉を発している。この状態の彼に声を届かせられるだろうか。先生はいつも以上に穏やかに話しているけれど…逆に時間はあまりないのかもしれない。
パキンッ
氷が割れる音が響く。散り散りになった氷を踏み締め彼へと足を進める。後ろから戻りなさい、と声が聞こえる。無視して前へと進む。フロストさんの声がより強く、大きくなる。いつもみたいに熱で自分の周囲を覆っていない分、彼の冷気を直に感じ、体がぶるりと震えた。そして雨で濡れた私の体が、彼に近い部分ほど綺麗に白く染まった。
少し震える手でアイテムボックステッカーを貼った懐からある物を取り出す。
それを、そっと彼へとかぶせた。
「ねぇ、フロストさん。これは私の大切な友人から貰ったんだ。ふわふわして気持ちいいよね!これなら凍えさせずに触れられるって言ったけど本当だったでしょう?さすがの君でもこんな寒さの中、じっとしていたら風邪を引いてしまうかもしれないから…少しの間だけ貸してあげるね。大事な物だから、後でちゃんと返しに来てね」
君の作ってくれたスナネズミのケープと君自身が会いにきてくれるのを待ってるから───
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒
お借りしました
✧雪の怪物Jack o'Frost【illust/103615211】/フロストさん【illust/101968160】
✦ウィスチュン【illust/102378709】
✧シュローラン・シャムロックさん【illust/101976990】
お借りしたアイテム
✧ユルメック5.5改アラディア仕様【illust/103589982】
✦雪亜麻【illust/102886138】
✧結星花【illust/102822448】
✦アイテムボックステッカー【illust/102331327】
お借りした話の流れ等
✦スナネズミケープについては【illust/102491072】→【illust/102566237】
✧暖かい人へ【illust/103669694】
✦これは手向けか施しか【illust/103661919】鍵があることだけの描写になってしまい申し訳ございません
非公式イベント
✧願い継ぐ竜の雨【illust/103663022】
✦兆しの彗星【illust/103593725】
✧氷の怪物【illust/103615211】
→ケープをフロストさんにかけてました!その後は少し離れた位置から声かけや火の魔法で氷壁を溶かそうとしたりするかと思います。おしくらまんじゅうするならそれも参加したいです!(現時点での行動方針)
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒
pixivファンタジア Scepter of Zeraldia
PFSOZ最終章「ゼラルディアの王笏」【illust/103584939】
ペリツァ【illust/101994670】
「もしかして私だけが友達だと思っていたかな?そうだったら…ここから始めよう。私と友達になってください!」
✧✦✧ペリツァの髪の毛を燃やすか燃やさないか✧✦✧
ID末尾合計(偶数:そのまま/奇数:燃やす)12/18現時点【2+4+2+5+1】
※こちらの作品でお借りした方を縛るつもりなどはございませんのでパラレルスルー等して頂いて大丈夫です!
※何か不備等ございましたらご連絡下さい!宜しくお願い致します!
燃え広がる王都を走るペリツァに小さな雫が当たった。
火によって熱せられ、さらにずっと駆け回っていた私にとってはこの雨が心地よい冷たさを運んでくれた。そして、その少し濡れた肌にチリ、と凍みる冷たさを感じた。
この近くだ。
“彼”に近づいている、という確信を得たとき、ユルメック・コールが音を立てた。
『皆、聞こえているかい……事情はこれから説明するが、フロスト君を助けるために……救援が必要だ。協力してくれるかい?』
シュローラン先生の声が明確に”彼”の…フロストさんの危機を知らせてくれた。できればこんな予想は外れて欲しかった…、そう思いつつ冷気が来る方向へとさらに足を速める。彼がいるであろう場所に近づくにつれ、火は消え、かわりに霜が所々に見えるようになった。
大きな氷壁。氷でできたアザミの花。淡い青色の花々。心配そうに飛ぶウィスチュン。鍵。
そして氷に囲われるように座るフロストさん───
「シュローラン先生…!これはいったい…?」
訳がわからず思わず目の前の先生に問いかけた。きっと先生だって事情は知らないだろう。けれど問わずには言われないほど、今の現状を私は受け止められなかった。
「ペリツァ君か。詳しいことは解らないが、フロスト君は誰かの魔法によって混乱している状態なんだと思う。だが、彼の意識はまだ落ちていない。私たちの声が届けばきっと…!」
フロストさんは絶えず「近づくな」「触るな」とこちらを拒絶する言葉を発している。この状態の彼に声を届かせられるだろうか。先生はいつも以上に穏やかに話しているけれど…逆に時間はあまりないのかもしれない。
パキンッ
氷が割れる音が響く。散り散りになった氷を踏み締め彼へと足を進める。後ろから戻りなさい、と声が聞こえる。無視して前へと進む。フロストさんの声がより強く、大きくなる。いつもみたいに熱で自分の周囲を覆っていない分、彼の冷気を直に感じ、体がぶるりと震えた。そして雨で濡れた私の体が、彼に近い部分ほど綺麗に白く染まった。
少し震える手でアイテムボックステッカーを貼った懐からある物を取り出す。
それを、そっと彼へとかぶせた。
「ねぇ、フロストさん。これは私の大切な友人から貰ったんだ。ふわふわして気持ちいいよね!これなら凍えさせずに触れられるって言ったけど本当だったでしょう?さすがの君でもこんな寒さの中、じっとしていたら風邪を引いてしまうかもしれないから…少しの間だけ貸してあげるね。大事な物だから、後でちゃんと返しに来てね」
君の作ってくれたスナネズミのケープと君自身が会いにきてくれるのを待ってるから───
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒
お借りしました
✧雪の怪物Jack o'Frost【illust/103615211】/フロストさん【illust/101968160】
✦ウィスチュン【illust/102378709】
✧シュローラン・シャムロックさん【illust/101976990】
お借りしたアイテム
✧ユルメック5.5改アラディア仕様【illust/103589982】
✦雪亜麻【illust/102886138】
✧結星花【illust/102822448】
✦アイテムボックステッカー【illust/102331327】
お借りした話の流れ等
✦スナネズミケープについては【illust/102491072】→【illust/102566237】
✧暖かい人へ【illust/103669694】
✦これは手向けか施しか【illust/103661919】鍵があることだけの描写になってしまい申し訳ございません
非公式イベント
✧願い継ぐ竜の雨【illust/103663022】
✦兆しの彗星【illust/103593725】
✧氷の怪物【illust/103615211】
→ケープをフロストさんにかけてました!その後は少し離れた位置から声かけや火の魔法で氷壁を溶かそうとしたりするかと思います。おしくらまんじゅうするならそれも参加したいです!(現時点での行動方針)
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒
pixivファンタジア Scepter of Zeraldia
PFSOZ最終章「ゼラルディアの王笏」【illust/103584939】
ペリツァ【illust/101994670】
「もしかして私だけが友達だと思っていたかな?そうだったら…ここから始めよう。私と友達になってください!」
✧✦✧ペリツァの髪の毛を燃やすか燃やさないか✧✦✧
ID末尾合計(偶数:そのまま/奇数:燃やす)12/18現時点【2+4+2+5+1】
※こちらの作品でお借りした方を縛るつもりなどはございませんのでパラレルスルー等して頂いて大丈夫です!
※何か不備等ございましたらご連絡下さい!宜しくお願い致します!
pixivファンタジアSOZ
pikushibufanntajiaseputa-obuzerarudexia
アラディア院
aradexiainn
欺瞞の悪魔
【氷の怪物】
【PFSOZ】もふり隊
【ワンデルン】
【兆しの彗星】
【願い継ぐ竜の雨】
10
22
509
2022-12-18 00:26
Comments (0)
No comments