【PFSOZ】守りたい者達の為に【欺瞞の悪魔】
――――――――――――――――――――――――
「何でこうも次から次へと厄介事が舞い込んでくるんだよ、このギルドは…!」
そう悪態をつきながらエピオテースは走る。
目の前に突如として現れた化け物は、以前遺跡で見たものにそっくりで…だが有に五十メートルを超えるその巨体に、思い切り舌打ちをした。
「日朝の特撮じゃねーんだぞっ、クソが…!」
そう言って、此方に伸びてきた触手を【白銀の剣】で叩き切る。
あまりこの剣を表に出す事はしたくないが、今はそんな出し惜しみをしてる場合じゃない。
「(くっそ…頭がいてぇし体も重い…。能力はあの時遺跡にいた奴らと同じか…)」
厄介だな、と思いつつ飛んできた触手を再び切り落とし、他の団員達や巻き込まれそうになった人達を逃がす。
その間も、何処かに化け物の弱点はないかとエピオテースは巨体に目を凝らした。
「(このままじゃジリ貧だ。なんとかしないt…)」
ピタリと、彼の足が止まる。
その視線の先には…―――化け物の禍々しい巨体に埋まった、1人の黒髪の少女が映っていた。
「嘘だろ…!?」
あまりの事態に、エピオテースは目を見開く。
そして思いきり舌打ちをすると、少女目掛けて走った。
妨害するように飛んでくる触手達を【白銀の剣】で切り落とし、横から来た噛みつき攻撃をジャンプでかわすと、そのまま化け物の頭に飛び乗って疾走する。
視線は少女から逸らす事はなく、無数の目玉から発射されたビームを剣で弾いたり体をひねってかわしたりしながら、確実に距離を詰めていく。
そして、思い切り化け物の背を蹴り、跳躍した。
「(いける…!)」
少女を捕える化け物の肉片目掛けて、エピオテースは剣を振り下ろそうと構える。
…だが次の瞬間、少女を捕える肉壁の後ろに隠れるようにしていた化け物の頭の一つが口を開け、【歌】による衝撃波を放った。
「っ!?」
それをもろにくらったエースは、思いきり吹き飛ばされる。
「こんの…やりやがったな…!」
何とか空中で体制を立て直すと、エピオテースは超音波を放った化け物の頭を睨みつけ…少女を助け出す為、目の前の化け物に意識を集中する。
―――…故に、横から迫りくる【もう一つの脅威】に気づけなかった。
「エースッ!!!」
自分の名前を呼ばれて、ハッした時にはもう全てが遅く…。
突如として目の前に現れた【ワーウルフの男(ルシアン)】の振り下ろされた大剣を、エピオテースは正面からもろにくらった。
「っっっ…!!!」
焼けるような痛みが、全身を襲う。
そして、剣を振り下ろされた勢いのままエピオテースはふっ飛ばされると…受け身も取れずに地面に叩きつけられた。
「か は…っ!」
呼吸の仕方を忘れる位の衝撃と痛みに、一瞬意識が飛びかける。
だが、何とか踏みとどまると、今の状況を確認しようと無理やり首を動かし…目に映った光景に、エピオテースは思いきり顔を顰めた。
右胸から左わき腹にかけて切られた傷は相当深く、人間でいう所の臓器と言える鉱石が切れ目から見えるほど酷い。
加えて、先ほど叩きつけられた衝撃で脆くなっていた傷口がバキバキに割れていて、見るも無残な状態だった。
「っ…ほん、と……かんべん、してくれよな…」
悪態をつきつつ、エピオテースは歯を食いしばって体を起こすと、フラフラと立ち上がる。
その際も傷口やぶつけた個所のひび割れはドンドンと広がっていき、パラパラと落ちた破片が足元に散らばった。
「(…俺が人間だったら、傷口から臓物出てたかもな…)」
などと思いながら、左手で傷口を押さえる。
そして、右手で【白銀の剣】を構えながら、目の前に降り立ったルシアンを睨みつけた。
その奥で化け物が蠢きながら此方ににじり寄ってくる姿に、痛みで引きつる顔が更に引きつる。
だけど、エピオテースは逃げようとは思わなかった。
「(どのみちこの怪我じゃあ、コイツらから逃げ切るのは無理だ。…【神】である俺の体は、普通のはがね人より丈夫だから…これ位の怪我でも、多少無茶した所で問題はない…はず。
なら、応援が来るまで時間を稼げばいい。……それに)」
チラリと横に視線を向けると、緑色の物体…エースの師匠の式神である樹木の精霊が、化け物に囚われた少女の方に飛んでいくのが見えた。
…おそらく、この状況を何処かで見ていたであろう彼女が、飛ばしたものだろう。
なら、少女の方はしばらくの間大丈夫だろうと思い、エピオテースは目の前にいる敵二体に目を戻す。
そこで彼の脳裏にギルドの仲間達と…サンとヴァングレイズの姿が浮かんだ。
「(…このままコイツらを野放しにしたら、皆やアイツらに危害が及ぶのは明白だ。それだけは避けなきゃいけない。
…守りたいもん守れなくて、何が【神】だ…!)」
グッと、【白銀の剣】にを握る右手に力を込める。
そして、気を引き締める様に一つ息を吸うと、
「―――来いよ。俺が相手してやるっ!!」
痛みに耐えながら吠えるように叫ぶと、エピオテースはルシアンとその奥にいる化け物を真っ直ぐに見据え、地を蹴った。
――――――――――――――――――――――――
と言う訳で、ついにラスト章に突入!。
エースは「終焉紡ぐ虚滓の黑陽」【illust/103585124】と、
「白きその名に愛惜を」【illust/103588789】に参加します!。
――――――――――――――――――――――――
■お借りしました!
(名前だけ)
サンさん【illust/102020786】
ヴァングレイズさん【illust/101979265】
■うちの子
エース【illust/102071496】
「何でこうも次から次へと厄介事が舞い込んでくるんだよ、このギルドは…!」
そう悪態をつきながらエピオテースは走る。
目の前に突如として現れた化け物は、以前遺跡で見たものにそっくりで…だが有に五十メートルを超えるその巨体に、思い切り舌打ちをした。
「日朝の特撮じゃねーんだぞっ、クソが…!」
そう言って、此方に伸びてきた触手を【白銀の剣】で叩き切る。
あまりこの剣を表に出す事はしたくないが、今はそんな出し惜しみをしてる場合じゃない。
「(くっそ…頭がいてぇし体も重い…。能力はあの時遺跡にいた奴らと同じか…)」
厄介だな、と思いつつ飛んできた触手を再び切り落とし、他の団員達や巻き込まれそうになった人達を逃がす。
その間も、何処かに化け物の弱点はないかとエピオテースは巨体に目を凝らした。
「(このままじゃジリ貧だ。なんとかしないt…)」
ピタリと、彼の足が止まる。
その視線の先には…―――化け物の禍々しい巨体に埋まった、1人の黒髪の少女が映っていた。
「嘘だろ…!?」
あまりの事態に、エピオテースは目を見開く。
そして思いきり舌打ちをすると、少女目掛けて走った。
妨害するように飛んでくる触手達を【白銀の剣】で切り落とし、横から来た噛みつき攻撃をジャンプでかわすと、そのまま化け物の頭に飛び乗って疾走する。
視線は少女から逸らす事はなく、無数の目玉から発射されたビームを剣で弾いたり体をひねってかわしたりしながら、確実に距離を詰めていく。
そして、思い切り化け物の背を蹴り、跳躍した。
「(いける…!)」
少女を捕える化け物の肉片目掛けて、エピオテースは剣を振り下ろそうと構える。
…だが次の瞬間、少女を捕える肉壁の後ろに隠れるようにしていた化け物の頭の一つが口を開け、【歌】による衝撃波を放った。
「っ!?」
それをもろにくらったエースは、思いきり吹き飛ばされる。
「こんの…やりやがったな…!」
何とか空中で体制を立て直すと、エピオテースは超音波を放った化け物の頭を睨みつけ…少女を助け出す為、目の前の化け物に意識を集中する。
―――…故に、横から迫りくる【もう一つの脅威】に気づけなかった。
「エースッ!!!」
自分の名前を呼ばれて、ハッした時にはもう全てが遅く…。
突如として目の前に現れた【ワーウルフの男(ルシアン)】の振り下ろされた大剣を、エピオテースは正面からもろにくらった。
「っっっ…!!!」
焼けるような痛みが、全身を襲う。
そして、剣を振り下ろされた勢いのままエピオテースはふっ飛ばされると…受け身も取れずに地面に叩きつけられた。
「か は…っ!」
呼吸の仕方を忘れる位の衝撃と痛みに、一瞬意識が飛びかける。
だが、何とか踏みとどまると、今の状況を確認しようと無理やり首を動かし…目に映った光景に、エピオテースは思いきり顔を顰めた。
右胸から左わき腹にかけて切られた傷は相当深く、人間でいう所の臓器と言える鉱石が切れ目から見えるほど酷い。
加えて、先ほど叩きつけられた衝撃で脆くなっていた傷口がバキバキに割れていて、見るも無残な状態だった。
「っ…ほん、と……かんべん、してくれよな…」
悪態をつきつつ、エピオテースは歯を食いしばって体を起こすと、フラフラと立ち上がる。
その際も傷口やぶつけた個所のひび割れはドンドンと広がっていき、パラパラと落ちた破片が足元に散らばった。
「(…俺が人間だったら、傷口から臓物出てたかもな…)」
などと思いながら、左手で傷口を押さえる。
そして、右手で【白銀の剣】を構えながら、目の前に降り立ったルシアンを睨みつけた。
その奥で化け物が蠢きながら此方ににじり寄ってくる姿に、痛みで引きつる顔が更に引きつる。
だけど、エピオテースは逃げようとは思わなかった。
「(どのみちこの怪我じゃあ、コイツらから逃げ切るのは無理だ。…【神】である俺の体は、普通のはがね人より丈夫だから…これ位の怪我でも、多少無茶した所で問題はない…はず。
なら、応援が来るまで時間を稼げばいい。……それに)」
チラリと横に視線を向けると、緑色の物体…エースの師匠の式神である樹木の精霊が、化け物に囚われた少女の方に飛んでいくのが見えた。
…おそらく、この状況を何処かで見ていたであろう彼女が、飛ばしたものだろう。
なら、少女の方はしばらくの間大丈夫だろうと思い、エピオテースは目の前にいる敵二体に目を戻す。
そこで彼の脳裏にギルドの仲間達と…サンとヴァングレイズの姿が浮かんだ。
「(…このままコイツらを野放しにしたら、皆やアイツらに危害が及ぶのは明白だ。それだけは避けなきゃいけない。
…守りたいもん守れなくて、何が【神】だ…!)」
グッと、【白銀の剣】にを握る右手に力を込める。
そして、気を引き締める様に一つ息を吸うと、
「―――来いよ。俺が相手してやるっ!!」
痛みに耐えながら吠えるように叫ぶと、エピオテースはルシアンとその奥にいる化け物を真っ直ぐに見据え、地を蹴った。
――――――――――――――――――――――――
と言う訳で、ついにラスト章に突入!。
エースは「終焉紡ぐ虚滓の黑陽」【illust/103585124】と、
「白きその名に愛惜を」【illust/103588789】に参加します!。
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■お借りしました!
(名前だけ)
サンさん【illust/102020786】
ヴァングレイズさん【illust/101979265】
■うちの子
エース【illust/102071496】
漫画
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ミリオン商会
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【羅針盤商会】
欺瞞の悪魔
【選び定めるのは、剣か、手か】
【白きその名に愛惜を】
【終焉紡ぐ虚滓の黑陽】
【とある二●の英雄物語】
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2022-12-15 01:17
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