【PFSOZ】子供と大人【欺瞞の悪魔】
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「お、ボース」
「やあ、しょくむたいまんのフォッグ」
「ボースは難しい言葉知ってるんだなあ、ごめんな、どっか遠くってだけじゃどこか思いつかなかったや」
「いいんだ、僕の頼み方が悪かったんだ」
「そうなのか?」
「そうなんだ」
「……」
「……」
「ねえフォッグ」
「なんだ?」
「ルカ―シュは…僕を…」
「うん」
「僕を…置いていってしまうことはあるのかな」
「置いてく?」
「僕を置いて、どこか遠くへ行ってしまうこと…あるのかな」
「……」
「…僕は、要らない子に……戻っちゃうのかな」
「それは絶対ないぞ」
「…え」
「ルカ―シュってボースのお父さん見たいな人なんだろ?」
「……わかんない」
「お父さんならな、子供の事を要らなくなったり忘れたりなんて絶対しないぞ」
「どうして言い切れるの?」
「俺もお父さんが二人もいるからわかるぞ」
「……ん?」
「お父さんってな、子供が元気に育ってくれるのが何よりも嬉しいんだって」
「……」
「それでいつか子供が大きくなったら遠くに行ってしまうかもしれない、寂しいなっていうのも分かってるんだって」
「……」
「子供はいつかは大きくなるし、どこか遠くへ行ってしまうもんなんだ、それが大人になるってことなのかもしんないな」
「…それなら、僕は子供のままが」
「けどな、俺は大きくなってお父さん達と離れて暮らしてるけど、だからこそ帰ってあげるのが嬉しいんだぞ」
「……」
「遠くにいっても帰ってくればいいんだ」
「……できるかな」
「できるさ、ボースならできる」
「……ルカ―シュは、どう思ってくれるかな、待っててくれるのかな」
「お父さんならな、ボースがいつか帰ってくるならいつまでも楽しみに待っててくれるぞ」
「本当に?」
「ん、俺も同じだったからな」
「フォッグも?」
「うん、めっちゃ不安だったし怖かったぞ」
「そういう時は……どうしたの?」
「…お父さんに怖いって気持ちを話すといい」
「……話す」
-----------------------------
「何してんだ、病室の前で」
「バラット…」
「スマッシュに面会か?」
「ん……いいんだ」
「はぁ?なんで?」
「いいの、しれっと会えないでしょ」
「だからなんでだよ」
「僕のせいでスマッシュは腕が……大変なことになったし」
「治療はしたし、くっつくだろう」
「あの時、僕が足手まといにならなきゃ……スマッシュが怪我することは無かったんだよ」
「ふうん」
「……」
「……」
「ねえ、バラット」
「ん」
「もしもさ、この先またあの時みたいに僕が足を引っ張りそうならさ」
「ん」
「僕の事は助けなくていいからね」
「なんでだ」
「…だって、助けてもらったって僕は戦えないんだよ」
「……」
「足手まといを助けたってしょうがないっしょ、せっかくもらったナイフを構えることすらできなかったんだから」
「……」
「だからさ、僕のせいでトモダチが怪我しちゃうぐらいなら……助けなくたっていいからあだだだだだだだだだ!!!!」
「で?」
「いだだだ、痛い痛い!!なにすんだよ!」
「やかましい口と鼻水出し始めた鼻を塞ぐのに丁度よかったんでな」
「いきなり鼻捻り上げるとか、何考えてんの!」
「それはこちらの台詞だな、足手まといだから助けるなとかスマッシュが聞いたらこんなんじゃすまないぞ」
「だって……本当の事じゃん、僕はみんなみたいに戦えないし……」
「この間の海では戦おうとしてたろ」
「あれは別、っていうかあれは言わないで、忘れて!それにあの時だってやられちゃったし……」
「なら俺も同じだが?」
「バラットは戦えるじゃん」
「けど同じだろ、敵にやられてぬいぐるみにされたんだからな」
「……」
「足手まといは嫌か?」
「……嫌だよ、足手まといでトモダチを怪我させるなんて」
「ならもっと頭を使うことだ」
「……何それ」
「そもそもあの時みたいな変態ロボやらこの前のディアブルみたいに自分の力量や戦い方じゃどうにもできないやつなんていくらでもいる」
「……」
「そんな奴が出た時、単純な力勝負で勝てないなら別の戦い方を考えるしかない」
「……うん」
「毒を使うのも手だろう、隠れるのも手だろう、逃げるのだってありだ」
「……ん?」
「仲間に頼るのだって立派なありだな」
「待ってよ、それじゃ結局足手まといじゃん」
「どこがだ」
「どこがって……」
「自分ができないことを誰かに頼るのが恥だと思うんなら、お前にしかできないことでそいつらを助けてやればいい」
「……」
「お前の売るタバコの売れ行きがよくてギルドの資金が助かってるのはジェミスもよく言ってるだろ」
「……そんなんでいいの?」
「がきんちょのお前が今単純勝負な戦い方を考えたってたかが知れてるさ」
「……む」
「助けなくていいと言うがな、目の前でがきんちょに死なれて平然としてられるほどここのやつらは冷淡じゃねえぜ」
「……だろうね」
「なら、できないことはできないと受け入れるんだ、そのかわりできることを最大限できるようにしな」
「……」
「とりあえずはとっとと病室入ってスマッシュに見舞いのひとつでも渡してこい、お前がちっとも顔見せないからぶーたれてるぞあいつ」
「……はぁ、ほんとにさ」
「ん」
「嫌になるよね、子供って」
「生意気言ってんじゃねえがきんちょ」
----------------------------
「「大人を頼れ、子供にしかできない特権だ」」
~ある日、それぞれの助言より~
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最終章ログインです!!
色々と複雑かつすぐには答えの生まれない問題に悩む子供たちに少しだけ大人からのアドバイスがしたかったんだ
お借りした方
グルッグ君【illust/102043687】
ボース君【illust/102115049】
(名前のみ)ルカ―シュさん【illust/102227673】
(名前のみ)ジェミスさん【illust/101974955】
(名前のみ)スマッシュ君【illust/101981330】
(名前のみ)ディアブル君【illust/102013809】
(呼称のみ)変態ピエロロボことクラウンダー【illust/102912758】
バラット【illust/102001619】
フォッグ【illust/103536471】
「お、ボース」
「やあ、しょくむたいまんのフォッグ」
「ボースは難しい言葉知ってるんだなあ、ごめんな、どっか遠くってだけじゃどこか思いつかなかったや」
「いいんだ、僕の頼み方が悪かったんだ」
「そうなのか?」
「そうなんだ」
「……」
「……」
「ねえフォッグ」
「なんだ?」
「ルカ―シュは…僕を…」
「うん」
「僕を…置いていってしまうことはあるのかな」
「置いてく?」
「僕を置いて、どこか遠くへ行ってしまうこと…あるのかな」
「……」
「…僕は、要らない子に……戻っちゃうのかな」
「それは絶対ないぞ」
「…え」
「ルカ―シュってボースのお父さん見たいな人なんだろ?」
「……わかんない」
「お父さんならな、子供の事を要らなくなったり忘れたりなんて絶対しないぞ」
「どうして言い切れるの?」
「俺もお父さんが二人もいるからわかるぞ」
「……ん?」
「お父さんってな、子供が元気に育ってくれるのが何よりも嬉しいんだって」
「……」
「それでいつか子供が大きくなったら遠くに行ってしまうかもしれない、寂しいなっていうのも分かってるんだって」
「……」
「子供はいつかは大きくなるし、どこか遠くへ行ってしまうもんなんだ、それが大人になるってことなのかもしんないな」
「…それなら、僕は子供のままが」
「けどな、俺は大きくなってお父さん達と離れて暮らしてるけど、だからこそ帰ってあげるのが嬉しいんだぞ」
「……」
「遠くにいっても帰ってくればいいんだ」
「……できるかな」
「できるさ、ボースならできる」
「……ルカ―シュは、どう思ってくれるかな、待っててくれるのかな」
「お父さんならな、ボースがいつか帰ってくるならいつまでも楽しみに待っててくれるぞ」
「本当に?」
「ん、俺も同じだったからな」
「フォッグも?」
「うん、めっちゃ不安だったし怖かったぞ」
「そういう時は……どうしたの?」
「…お父さんに怖いって気持ちを話すといい」
「……話す」
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「何してんだ、病室の前で」
「バラット…」
「スマッシュに面会か?」
「ん……いいんだ」
「はぁ?なんで?」
「いいの、しれっと会えないでしょ」
「だからなんでだよ」
「僕のせいでスマッシュは腕が……大変なことになったし」
「治療はしたし、くっつくだろう」
「あの時、僕が足手まといにならなきゃ……スマッシュが怪我することは無かったんだよ」
「ふうん」
「……」
「……」
「ねえ、バラット」
「ん」
「もしもさ、この先またあの時みたいに僕が足を引っ張りそうならさ」
「ん」
「僕の事は助けなくていいからね」
「なんでだ」
「…だって、助けてもらったって僕は戦えないんだよ」
「……」
「足手まといを助けたってしょうがないっしょ、せっかくもらったナイフを構えることすらできなかったんだから」
「……」
「だからさ、僕のせいでトモダチが怪我しちゃうぐらいなら……助けなくたっていいからあだだだだだだだだだ!!!!」
「で?」
「いだだだ、痛い痛い!!なにすんだよ!」
「やかましい口と鼻水出し始めた鼻を塞ぐのに丁度よかったんでな」
「いきなり鼻捻り上げるとか、何考えてんの!」
「それはこちらの台詞だな、足手まといだから助けるなとかスマッシュが聞いたらこんなんじゃすまないぞ」
「だって……本当の事じゃん、僕はみんなみたいに戦えないし……」
「この間の海では戦おうとしてたろ」
「あれは別、っていうかあれは言わないで、忘れて!それにあの時だってやられちゃったし……」
「なら俺も同じだが?」
「バラットは戦えるじゃん」
「けど同じだろ、敵にやられてぬいぐるみにされたんだからな」
「……」
「足手まといは嫌か?」
「……嫌だよ、足手まといでトモダチを怪我させるなんて」
「ならもっと頭を使うことだ」
「……何それ」
「そもそもあの時みたいな変態ロボやらこの前のディアブルみたいに自分の力量や戦い方じゃどうにもできないやつなんていくらでもいる」
「……」
「そんな奴が出た時、単純な力勝負で勝てないなら別の戦い方を考えるしかない」
「……うん」
「毒を使うのも手だろう、隠れるのも手だろう、逃げるのだってありだ」
「……ん?」
「仲間に頼るのだって立派なありだな」
「待ってよ、それじゃ結局足手まといじゃん」
「どこがだ」
「どこがって……」
「自分ができないことを誰かに頼るのが恥だと思うんなら、お前にしかできないことでそいつらを助けてやればいい」
「……」
「お前の売るタバコの売れ行きがよくてギルドの資金が助かってるのはジェミスもよく言ってるだろ」
「……そんなんでいいの?」
「がきんちょのお前が今単純勝負な戦い方を考えたってたかが知れてるさ」
「……む」
「助けなくていいと言うがな、目の前でがきんちょに死なれて平然としてられるほどここのやつらは冷淡じゃねえぜ」
「……だろうね」
「なら、できないことはできないと受け入れるんだ、そのかわりできることを最大限できるようにしな」
「……」
「とりあえずはとっとと病室入ってスマッシュに見舞いのひとつでも渡してこい、お前がちっとも顔見せないからぶーたれてるぞあいつ」
「……はぁ、ほんとにさ」
「ん」
「嫌になるよね、子供って」
「生意気言ってんじゃねえがきんちょ」
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「「大人を頼れ、子供にしかできない特権だ」」
~ある日、それぞれの助言より~
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最終章ログインです!!
色々と複雑かつすぐには答えの生まれない問題に悩む子供たちに少しだけ大人からのアドバイスがしたかったんだ
お借りした方
グルッグ君【illust/102043687】
ボース君【illust/102115049】
(名前のみ)ルカ―シュさん【illust/102227673】
(名前のみ)ジェミスさん【illust/101974955】
(名前のみ)スマッシュ君【illust/101981330】
(名前のみ)ディアブル君【illust/102013809】
(呼称のみ)変態ピエロロボことクラウンダー【illust/102912758】
バラット【illust/102001619】
フォッグ【illust/103536471】
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2022-12-16 03:44
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