【PFSOZ】決戦の空【欺瞞の悪魔】

“ゼラルディアを守れ”
“煤を残せ”

百年動作していなかった緊急通信機が起動したかと思えば、
最近また聞きなれた声がたいそうな事を宣っていた。

「……全く、何をやっているのだかね、柄にもなく」

脳裏をよぎるのは、かつてとはまるで違う表情を見せるようになった“姉”の顔。
そして、百年ぶりに再会した戦友達、現在になってから出会った仲間達。
最後に、黙っていれば美人な一応の主人の顔。

「“ゼラルディアを守れ”？　そんな事、言われるほどの事でもない」

取り出すのは、転送機能のある魔法道具。
一瞬で着替えを可能とするそれに封じてあるのは、
かつての戦いの時に身に纏った決戦装備、それを模して海衛が作り上げた魔装具。
魔法道具が光を放ち、その体にプロテクターが、ヘッドギアが、
戦うための力が体に装着されていく。
一瞬の後、装備を身に纏った姿は常以上の速度で飛び上がり、
空の高みから業火に包まれる王都を見下ろす。

「折角新しい趣味を見つけたんだから、遊び場がなくなるのは困るし。
　まあ、多少は骨を折るとしようかな」

そして、自分もまた通信機を起動。一瞬の探知の後、
反応があった戦友たちに向けて言葉を告げる。

第八位、《流星群の瑠璃》より各員へ
思うところを行え。思うがままに行け。
己が心のあるがままに、為すべきことを為せ。

「……ああそうそう、第一位。
　全部終わったら海衛にフルメンテナンスさせるから覚悟しておいて。
　どうせ無茶するんだろうし」

そういって通信を切ると、今の通信で「なんで！？」となっているであろう
第一位を思い浮かべてくすりと笑い、天を駆ける。
思うままに、あるがままに、為すべきと思ったことを為すために。

「自分の判断で動け、って言うんなら……
　無茶する馬鹿を手伝ってもいい。そういうことでしょ？」

そう呟き、バレッティアは放たれた矢のように彼方へと飛んでいった。

そんなわけでこちらillust/103598252に対する返答的な小話付きバレッティア決戦仕様です。
１００年前の戦いのときに装備していた決戦装備（全壊して廃棄済）を、
海衛が出来る限り再現して手甲符印（新型）をプラス。
かつてに比べ弾種がバラエティ豊富になったのでプラスマイナスでややプラスぐらい。
海衛はそこそこ有能なんですよ、変態だけど。

なおフルメンテナンス、海衛の五感全てをもって異常を探った上でメンテします。
スィルトちゃんがんばれ！

■うちの
バレッティアillust/102430474